パッケージに関する情報は aptitude 内の複数の場所で得られます。パッケージ一覧では各パッケージの状態の概要が手短に得られます。また、パッケージに関する詳細情報を提供する画面も利用可能です。
パッケージ一覧には、「ひと目でわかる」パッケージの状態の概要が表示されます。例えば、webmin
パッケージには次のような概要が表示されます。
piAU webmin +5837kB <なし> 1.160-2
概要の左側の 4 文字は、パッケージがインストールされていなく (「p」)、インストール予定であり (「i」)、自動的にインストール対象に選択されたもので (「A」)、信頼されていない (「U」)、という意味です。概要の右側には、現在のバージョンと入手可能な最新バージョンが、更新によって使用されるディスク領域のサイズとともに表示されています。
ヒント | |
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パッケージの概要の表示方法はカスタマイズ可能です。詳しくは「パッケージの表示方法のカスタマイズ」を参照してください。 |
スクリーン左側の 4 文字の状態フラグからは、パッケージの状態に関する基本的な情報が得られます。1 文字目はパッケージの現在の状態です。2 文字目はパッケージに対して行う予定のアクションです。3 文字目はパッケージが自動的にインストールされたかどうかを表します (「自動的にインストールされたパッケージの管理」を参照してください)。4 文字目はパッケージが信頼されているかどうかを表します (「パッケージの信頼性の意味と管理方法」を参照してください)。
「現在の状態」フラグのとりうる値を図2.9「「現在の状態」フラグの値」に、「アクション」フラグのとりうる値を図2.10「「アクション」フラグの値」に示します。
図2.9 「現在の状態」フラグの値
i | - | パッケージがインストール済みで、その依存関係がすべて満たされています。 |
c | - | パッケージは削除されましたが、設定ファイルがまだ残っています。 |
p | - | パッケージとその設定ファイルがすべて削除されました。またはインストールされたことがありません。 |
v | - | パッケージが仮想パッケージです。 |
B | - | パッケージに壊れた依存関係があります。 |
u | - | パッケージは展開済みですが設定が行われていません。 |
C | - | 設定未完了です。つまりパッケージの設定が中断されました。 |
H | - | インストール未完了です。つまりパッケージのインストールが中断されました。 |
W | - | triggers-awaited: the package awaits trigger processing by another package. |
T | - | triggers-pending: The package has had an update triggered due to changes in another package. |
図2.10 「アクション」フラグの値
i | - | パッケージはインストール予定です。 |
u | - | パッケージは更新予定です。 |
w | - | the package will be downgraded. |
d | - | パッケージは削除予定です。削除されますが、設定ファイルはシステムに残ります。 |
p | - | パッケージは完全削除予定です。パッケージとその設定ファイルは削除されます。 |
h | - | パッケージは固定されています。つまり、固定が取り消されるまでは、たとえ新しいバージョンが利用可能になっても現在のバージョンに留められます。 |
F | - | パッケージは更新が禁止されています。 |
r | - | パッケージは再インストール予定です。 |
B | - | パッケージは「破損」しています。つまり、一部の依存関係が満たされていません。破損パッケージがある間は、どのパッケージも aptitude でインストール・削除・更新できません。 |
さらに、ターミナルがサポートしていれば、aptitude はパッケージの状態を表すのに色を使用します。状態の違いは主に背景色を用いて表示されます。
パッケージは更新できなく (またはインストール予定ではなく)、依存関係の問題もありません。パッケージがインストールされると名前がハイライトされます。
パッケージはインストール予定です。
パッケージは現在インストール済みで、更新予定です。
The package is currently installed, and it will be downgraded.
パッケージは現在インストール済みで、削除予定です。
パッケージは現在インストール済みで、現在のバージョンに「固定」されています。つまり、自動的な更新では無視されます。
このパッケージは破損しています。つまり、一部の依存関係が満たされていません。
最後に、スクリーンの下半分にはパッケージ説明・詳細版が表示されます。aptitude はパッケージが依存関係の問題に関わっているかを検出しようと試みます。依存関係の問題に関わっている場合、その問題に関する情報がこの領域に表示されます。依存関係の情報とパッケージ説明を切り替えるには、i を押してください。
パッケージがハイライトされているときに Enter を押すと、次のようなパッケージ情報スクリーンが表示されます。
この表示は、パッケージ一覧と同様の方法で操作できます。つまり、例えば、上のスクリーンショットでは、apt-doc
の上で依存関係を展開し、依存関係を満たす apt-doc
の入手可能なバージョンを表示しました。これらのバージョンはパッケージと同様の方法で操作可能です。例えば、apt-doc
のバージョン 0.5.25
をインストールするには、それをハイライトさせて
+ を押してください。
ヒント | |
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依存関係を手早く満たすためには、依存関係を選択して + を押してください。aptitude は自動的にその依存関係を満たそうと試みます。 |
パッケージが依存するパッケージに加えて、それが提供 (Provides) するパッケージ、つまりそのパッケージに依存しているパッケージについても、名前や入手可能なバージョンを表示できます (自身が提供 (Provides) するパッケージを提供する他のパッケージも表示できます)。
通常どおり、q を押すと、このスクリーンを閉じてメイン画面に復帰できます。便宜のため、他にも情報スクリーンがいくつか利用可能です (これらのスクリーンでは、いくつかのよく利用される情報のみが表示され、それ以外の情報が隠されます)。v を押すとパッケージのバージョンを表示できます。また、d を押すとパッケージの依存パッケージを表示でき、r を押すとパッケージの「逆依存パッケージ」 (そのパッケージに依存しているパッケージ) を表示できます。